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第三回 NP氏(ニコラスP)『she may cry, he may cry』を語る

 同業のノベマスP達からもその筆力が絶賛されている百舌Pの作品より。

she may cry, he may cry (2012 2/18)


百舌P
タグピックアップ:三浦あずさ、泣けるアイマス、バレm@s、笹川美和


【はじめに】
 さっそく企画にお邪魔させていただいてます。NovelsM@ster紹介ブログ「NP氏の本棚」管理人のNPこと、ニコラスPです。

 「か……語りたいッ、このノベマスッ……」という作品の数は両手の指でとても収まりきらないのですが、今回はあえてひとつに絞ってくれとのことでしたので、こちらの作品をピックアップすることにしました。

 2012年上半期20選において私がベストに選んだ百舌Pの「she may cry, he may cry」です。


*   *   *


【作品の紹介】

 鏡の前でそわそわと身だしなみを気にするプロデューサー。それもそのはず、何故なら今日は2年ぶりに海外から「帰国公演」する歌姫・三浦あずさとの再会の日だったのです。かつて結ばれる直前の関係だった二人は、ライブが始まるまでの僅かな時間を幸せに過ごすのですが……

 「優しさ」とは何か、「幸せ」とは何かを問いかける物語。そして2年前にプロデューサーと結ばれるはずだったあずささんは、なぜ日本を離れたのか? 切なすぎる大人の純愛を、巧みな文章と繊細な表現で描き出す、百舌P屈指の力作です。

「プロデューサーさんは、運命の人って信じますか?」


*   *   *

 
【見所の解説】

 初見で見終えた後に「うおお…切なすぎるだろ、これ……」と3,4日ほど他のことに集中できなくなった思い出がある本作。語ろうとするほどに作品の本質を取りこぼしてしまいそうになる繊細な短編ですが、今回はあえて見所を3つほどにまとめてお話したいと思います。

1.Pとあずささんの絶妙な距離感の描写

2.最小限の演出で伝わってくる感情表現のリアリティ

3.計算された文章的ギミック
*   *   *


1.絶妙な2人の距離感の描写

 非常に言語化しにくいのですが、私の印象だと百舌Pはどの作品でも登場人物の関係性の描写に重きを置いているように感じます。本作「she may cry, he may cry 」の場合ですと、「絶対2人とも相思相愛なのに、くっつきそうでくっつかない距離感」の描写を意識されているように思いました。この寸止めみたいなもどかしさがなんとも言えず「イイ!」のですね。これぞ恋愛物の醍醐味だと思います。
 
 そしてこれまで絶妙なバランスで保たれていた距離感が、ラスト付近のあずささんの一言で決定的な変化を迎えるそのカタルシス! ノベマスを見ていてこういう瞬間に立ち会えるのは、本当の贅沢だなと思います。


2.最小限の演出で伝える感情表現のリアリティ


 百舌P作品ではこれまで一度も「アイドルたちの立ち絵」が用いられたことがありません。画面作りはいわゆるセリフ枠を用いたアドベンチャーゲームタイプではなく、画面全体に文字を表示するサウンドノベルタイプの作風なのですが、それでも立ち絵を一切使わないPは超少数派です。
 ビジュアル的な演出をギリギリ最小限まで削っているにもかかわらず、19分間の物語を一気に読ませてしまうのは、ひとえに百舌Pの類稀な筆力が可能としたものだと思います。

 アイドルの立ち絵は強力なビジュアルアピールを可能とするノベマスの武器であり、アイドルの表情を視覚的に表せるものでもあります。ところが百舌P作品の場合、アイドルたちの描写は全て文章上で表現されるために、彼女達がどんな表情をしているかは視聴者の想像力にゆだねられることになります。これが逆に立ち絵だけでは表しきれない、繊細な感情表現を演出する百舌Pのスタイルとなっているわけです。
 珍しい作風ではありますが、おそらくこの方法と百舌Pのスタイル、特に「she may cry, he may cry 」との相性は抜群であると思います。


3.計算された文章的ギミック


 これは詳細を書くと本編の醍醐味を失わせてしまうので自重したいのですが、実はこの作品、物語のスタート時点から「ある仕掛け」が始まっています。初見ではわかりにくいかもしれませんが、2週目を見ていただければ百舌Pがいたるところに「仕掛け」を施していたことに気付かされるかと思います。そういう意味で、1回見終わった後も、もう1回この物語を楽しめるギミックが施されているわけです。
 
 さらにこの作品は百舌Pブログで公開されているSS版「We may cry」(http://blog-imgs-53.fc2.com/m/o/z/mozukuzu/5azs.htm)と表裏一体になっている作品です。
 動画版はプロデューサー視点であったのに対し、SS版はあずささん視点となっています。動画版とSS版は、いわばノベルゲームの分岐ルートのような関係にあり、エンディングも全くの別物となっています。ただ、SS版は冒頭でいきなり動画版のネタバレが入ることと、動画版で説明されていなかった背景が補足されている事から、動画→SSの順で見ることを強くお勧めします。


*   *   *

 以上、百舌Pの「she may cry, he may cry 」について語らせていただきました。私の大のお気に入りの作品のひとつでもあるので、この記事をご覧になって興味を持たれた方がお一人でも増えたら、とっても嬉しいです。
 最後に百舌Pの略歴紹介をもって記事を締めさせていただきたく思います。

*   *   *


【百舌Pの紹介】
 百舌Pは2010年9月12日に真主役のノベマス「test」でデビュー。ニコニコ大百科によると、P名は燦々Pの命名によるもの。

「ライオンの夢」シリーズの発表を経て、10年10月に伝説的な作品「ビッ千早」にてノベマス界を驚かせ、実力派ノベマスPの一角として注目を集める。 その後は、「四季4部作」「電子部品5部作(仮)」などの連作短編の他、「もりのやよいちゃん」「うさうさ×うさうさ」など、クオリティの高い短編を得意とし、ブログでのSS公開などにも意欲的に取り組んでいる。

 本編の格調の高さと、マイリス&投稿者コメント欄のネタとのギャップがつとに有名。たぶん酷くないPとタメをはれるレベル。「いおりんのニーソでおでん煮込む」発言のインパクトは今だに語り草かと。

百舌Pブログ「mekabu SOS」
http://mozukuzu.blog135.fc2.com/

百舌P作品①


百舌P作品② ライオンの夢




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NP(ニコラスP)
ノベマス紹介ブログ「NP氏の本棚」
http://nichohon.blog78.fc2.com/

マイリス:http://www.nicovideo.jp/mylist/4178165

 
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