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第十二回 あとりえP「『Starting over』を見ろ!」



にわP 
『Starting over』シリーズ(2008 12/11~2009 8/17)




昨年の9月にPVデビューをしました、あとりえPと申します。

特に文才のない自分がこの作品を語って良いものかと悩みましたが、ニコマスで一番好きな作品は何かと聞かれると間違いなくこの『Starting over』を選びますし、一番好きなノベマスPを聞かれたら『にわP』と即答するぐらい信者だったりしますので、勇気を出して語ることを決意した次第です。
他の方の紹介文みたいに、作品の素晴らしい点などは上手く表現できません。自分にできることは、『Starting over』を初めて読んだときの衝撃と、そして何十回読んでも変わらない感動を皆さんに伝えることだと思っています。作品の考察目当ての方がいらっしゃいましたら、様々なブログでこの作品について語られていますので、そちらをご覧頂くことをお勧めします。

自分が始めてこの作品に出会ったのは2009年の9月、事実上の最終話である『そして、あなたのうた』がアップされて少し経ってからだと思います。「NovelsM@ster-最終回-link」で検索した末に見つけてこの最終話を開いたのですが、1分も経たずに再生を止めました。
「ヤバイ動画を見つけてしまった」、最初の感想です。文章、立ち絵、音楽、全てが他のノベマスと異なっていました。どの辺が違ったのかは徐々に話します。まず、自分と『Starting over』の出会いがそれでした。
すぐにマイリスト順に最初から見ました。全話合わせて約6時間。二日かかりました。
見終わった後は放心状態になりつつも、なんでこんなに感動したのか言葉で表現できない自分が悔しかったのを覚えています。どうしたらいいのか分からなくなり、その日のうちにまたマイリスト順に見返しました。ですが、それでも言葉が上手くでてきません。感動したし、素直に良かったと思える作品です。じゃぁ、詳しく話してみろと言われると、文章が良かった、ストーリーが良かったという陳腐な言葉しか浮かびませんでした。只ひたすら、それが悔しかったのです。

次の日から、自分と『Starting over』の生活が始まりました。気に入った話を何度も見返し、一週間に一度以上は通しで見ました。もちろん、他の方のノベマスも同時に見ました。『Starting over』よりも感動した作品にも幾つか出会いました。ただ、この作品よりも好きかと聞かれると、答えはノーです。自分にとって『Starting over』を見ている時間が日常になってしまっていたのが理由かもしれません。ひたすら繰り返し見て、動画の世界観に触れる生活が続きます。

しばらく経ち、続編が2本上がります。アップされる度にまた最初から見返しますが、それでも物足りません。HPに掲載されているテキスト版も読みました。2007年版と、時間を置いて2010年版の両方です。テキスト版を読むと、BGMが場面ごとに脳内再生されます。動画とは文章も少し違っていて魅力があり、これもまた何回も繰り返し読みました。
『Starting over』だけでなく、短編シリーズも読み、にわP作品の世界に毎日のように触れました。そして2010年6月、『やさしいうたの物語』という、中編が投稿されます。前後編で約1時間、にわPの世界観でありつつも、『Starting over』とは違った結末の作品となります。当然何度も見返し、そしてようやく自分の中で一段落つきました。

内容が異なる作品に同じ中毒性を感じたのは、単純に自分のアイドルマスターの理想がここにあるのだということです。もっと言うと、にわPのプロデュースするアイドルこそ、自分が求めるアイドルの姿そのものだということ。原作を大事にしつつも、プロデューサーとして一歩踏み込んだ形で書いてくれ、そこに存在するアイドルはどの話であっても美しく感じます。文章や話の内容とは別の、プロデュース方針とでも言えばいいのでしょうか。

自分にとってプロデューサーとしての理想系の一人がにわPであること。

たったこれだけを理解するのに、半年以上かかりました。そして、にわP作品を見返すという行為に区切りをつけました。暗記するほど読んだとまでは言いませんが、理想のアイドルを見つけた以上、そこに留まり続ける必要はないと感じたからです。もっと色々な作品に触れ、様々なPのアイドルを見て、よりアイドルマスターを知りたいと思いました。

ここまでが、自分と『Starting over』との関わりについてです。自分語りとなってしまいましたが、いかに作品について触れてきたかを知ってもらいたくて書かせていただきました。稚拙な文章で申し訳ありませんが、作品に対する思い入れの深さではそうそう他の人に負ける気がしないので、あえて書かせていただいたことをお許し下さい。

ノベマス紹介企画なので、ここからは純粋な紹介文に移りたいと思います。読みづらい点、分かりにくいところも出てくるかと思いますが、可能な限り丁寧に伝えたいと思いますのでよろしくお願いします。

まずこの作品は、当時としては珍しくBGMにヴォーカルの入った曲で構成されています。その時点で異質な感じはしましたし、GrayPによるオリジナルの立ち絵も動画の雰囲気に深みを出しています。そして何よりも特筆すべきは、にわPの文章力です。村上春樹を意識しているのはすぐ分かりましたが、決して猿真似なんかではありません。アイドルの美しさと格好良さをこれでもかというくらい真っ直ぐに、そして繊細に書いています。その魅力は、序盤のやりとりからも見えてきます。

車中、オーディションで勝てないことに責任を感じ、プロデューサーは春香に謝ろうとします。その言葉を、「お腹、空いちゃいました」の一言で春香は遮ります。そのままファミレスに行き、そこでのやり取りから抜粋します。

―――――――――――――――

 飲み物を持って、席に戻る。彼女の前にカップを置くと、ありがとうございます、と笑う。タイミングを失った言葉、と俺は思う。
「いっしょに、がんばりましょう」
 俺でいいのか。春香の顔を見ながら、飛び出しそうになったそんな言葉を飲み込んだ。一回目のオーディションは、右も左も分からず、何をやっているのか自分でも分からないまま負けた。二回目は、流れを読むということができずに負けた。それなら、と準備をして挑んだ三回目は、戦略面で負けた。
「さっきな」
「はい」
「次は勝とうぜ、って言おうとしてたんだ」
  春香は笑う。
「そうなんじゃないかって、思ってました」

(リマスタリング2010版 track.02 バナナより抜粋)

―――――――――――――――

 色々と省略させていただきましたが、たったこれだけのやり取りの中にも無印時代の良い意味での天海春香らしくなさがでています。春香自身もオーディションで勝てないことに責任を感じているはずなのに、それ以上に落ち込むプロデューサーに対してのやり取りです。
春香はプロデューサーのことが好きだからこそ何を考えているか理解でき、相手のもつネガティブな感情を前向きにフォローしようとします。その姿はとても16歳の少女とは思えません。最後の春香のセリフに、その聡明さは十分でていることを理解していただけることかと思います。プロデューサーが何を言いたいのか分かり、傷つけないよう、そして励ますわけでもなく前へ進ませようとする姿です。
こういったやり取りの一つ一つが作品の特徴であり、全体を通して何度も出てきます。これだけでも文章の面白さを感じていただけると思います。

この作品だけでなく、にわPのアイドルは精神年齢が皆5歳位上に感じますし、そこが魅力なのです。決して原作を否定せず、むしろ突き詰めた末に書かれる大人のアイドルだからこそ、作品の他にない異質さが出ているのです。

 少しストーリーに触れます。無印の春香ストーリーを基軸として物語は進んでいき、765プロのアイドル(全員ではありません)とプロデューサーがそこには関わってきます。春香と並行して千早の話が進み、お互いが交わるところから物語に変化が訪れ、その変化は765プロ全体のものとなっていきます。

 ハッキリと言います。この作品は、何万再生もする架空戦記のような派手な演出や、大どんでん返しは一切ありません。あくまでも描かれるのは無印時代の765プロの日常です。その日常の中から生まれる変化が、無印の本筋とは別の新たなストーリーへと進んで行き、聡明なアイドルたちが自分たち自身の力で道を切り開いていきます。
プロデューサーも重要人物の一人ではありますが、主役は春香と千早であり、支えるのは765プロアイドルです。
変化から先を語るとネタバレになるので言えませんが、結末は格好良いアイドルたちに惚れ惚れすること間違いなしです。自分はこの作品を最初に読んだとき、律子の前に進んでいく様にとても感動し、『私の歌姫 / Starting over Ⅱ』は一日一回、必ず見る生活が続きました。色々とリアル事情も絡んでいたりするのですが、まぁそれは置いておきます。

それぞれのアイドルが違った方向ではあるものの前に進んでいく様は、推しているアイドルなど関係なしに、共感する子が必ず一人は出てくると思います。そういった子を見て、勇気をもらえる作品です。
前に進むということは当然、失意に落ちる場面も書かれています。そこから成長するアイドルと自分自身の現状がリンクして思わず涙が出てきます。無印のゲームをやったことなくても関係ありません。書かれているアイドルの存在は、アイマスの枠をベースにしつつも、にわPのアイドルとなっているからです。

BGMについても語らせてください。この作品のメインテーマは『歌』です。
歌うことの意味を考え、そこから成長につながります。なので、作中に流れるBGMも、冒頭で少し話たようにヴォーカルありのBGMとなっています。使用されているのは「坂本真綾」と、「Swinging Popsicle」が多く、この辺は作者の趣味も含まれていると思います。
 この作品のすごい点は、ヴォーカル曲なのにストーリーを邪魔していないところです。
常に声が聴こえる状態だと、どうしても文章が脳に入ってこないこともあるのですが、それが一切ありません。にわPの文章力があってこそとも言えるでしょう。このPの作品全体にいえることとして、文章と歌詞をこれでもかという程リンクさせるシーンがでてきます。今のノベマス界隈では割と普通なこととして思われがちですが、当時この歌と文章のリンクを高いレベルで実行できた人は、数える程しかいなかったと思います。
もしかしたら場面ごとに使う歌を最初に決め、それを聴きながら文章を書いているのではないかと思ったりもしますが、さすがに自分はノベマスPでもないし書き手でもないのでわかりません。
一つ言えることは、この方の動画はノベマスであり、PVでもあるということ。
普通のPVPがゲームの映像を使ってPV動画を作るのに対し、にわPは文章でPV動画を作ります。音楽に合わせて歩き、落ち込み、そして歌うアイドルの姿が文章からイメージできます。
あくまでも個人的な考えですので異論はもちろんあるかと思います。ただ、PVデビューした自分の目標の中に、この方のようなPVをいずれ作りたいという思いがあることは間違いないです。文章とゲーム素材、使う素材は全く異なりますが、どちらも音楽と一体化し、世界を作り上げることが完成絵となるという点では、目指す方向は同じなのかなと思ったりもしています。

 最後に自分自身の動画との関わりについて少しだけ話させて下さい。
自分はアイマスでは双海真美を強く推しています。理由はたくさんあるのですが、好きになったキッカケは、にわPの動画からになります。『Starting over』には登場しませんが、この方の作品には真美がよく登場し、聡明で大人っぽいキャラとして書かれています。自分の動画の感想に「ちょっと大人びた真美」という言葉を頂くことがあるのですが、理想のアイドルマスターがにわPの書く世界であるため、自然とそうなります。
音楽に坂本真綾をチョイスしたこともあり、それも実は意識していたりします。よくPVとノベマスでは別物だという意見を耳にしますが、自分のアイドルマスターの世界は「にわP」がベースになっていることを考えると、ノベマスとPV動画の関係性というものをあらためて考えさせられます。
おそらく、自分以外にも影響を与えられたPVPもいらっしゃるのではないかと思いますが、どんどん話が横に逸れるのでこの辺にしておきます。

紹介企画なのに、非常に長文となり申し訳ありませんでした。本当言うともっと内容に踏みこんで多く語りたいのですが、できるだけ気持ちを抑えてコンパクトに書いた結果です。普段物書きをしないPVPが大好きなノベマスを語るとこうなるという、悪い見本とでも思って下さい。
心からこの作品を愛し、尊敬するプロデューサーの一人である、にわPの魅力をもっとたくさんの人に知ってほしいというその思いだけで書かせていただきました。あらためて、このような場を設けてくださった企画の主催者である中南海Pと、関わっている方々全員に感謝したいと思います。

もし、この文章を読んでにわPの書くアイドルマスターに興味を持ったけど長編を読む時間がないという方がいらっしゃいましたら、短編も数多く投稿されています。
シンデレラガールズの話も投稿されていますので、お気に入りのアイドルの話を是非一度ご覧いただきたいと、そのように思います。 

にわP短編


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